きのこ培地の炭化・バイオ炭事例

キノコ培地の処理費用圧縮と再生資源化の
可能性をともに検討

  • 対象物 きのこ培地
  • 固定炭素割合 
    47%-59%
  • 炭化後含水率 2%
  • 段階的なテスト実施
  • 炭化・強乾燥の両軸テスト
  • バイオ炭としての活用可能性
  • 蒸気特性を生かした再資源化

テスト環境

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当社の過熱水蒸気式炭化装置を用いて
炭化テストを実施

色味としては、真っ黒ではないものの
炭化されている状態


お客様の課題とご要望

今回ご紹介するのは、キノコ栽培農家のお客様よりいただいた「使用済みキノコ培地(廃菌床)」の処理と有効活用に関するご相談事例です。キノコの収穫後に大量に発生する培地は、水分を多く含んでおり、そのままでは保管場所を圧迫するだけでなく、産業廃棄物としての処理コストがお客様にとって大きな負担となっていました。お客様は、この廃棄コストを削減しつつ、培地を新たな資源として再利用する循環型の仕組みを模索されていました。

キノコ培地は有機物をベースとしているため、本来は農業用資材としての高いポテンシャルを秘めています。しかし再利用にあたっては、水分による腐敗や、他の雑菌・カビが繁殖するリスクといったハードルが存在します。そのためお客様からは「安全性を担保した上で、バイオ炭などの付加価値の高い素材へ変換できないか」というご要望をいただいています。私たちはこの課題を解決すべく、乾燥および炭化のプロセスにおいて温度域を変化させ、最適な処理条件を導き出すための検証テストを実施いたしました。

まず第一の検証として、培地の水分を飛ばし、安全性を確保するためのテストを行いました。具体的には、200℃の強乾燥帯において熱処理を実施しました。その結果、培地内に残存している可能性のある微生物や雑菌を除菌できている状態を確認することができました。

次に、より付加価値の高い「バイオ炭」の製造を目指し、高温域での炭化検証を進めました。処理の結果、一定の高温条件下においてバイオ炭として規定される基本条件を満たすことは確認できました。しかし詳細な分析を進めると、素材由来の「灰分」が多く残存してしまう性質が明らかになりました。この灰分の多さが影響し、バイオ炭の価値を左右する「固定炭素率」を一定以上引き上げることができず、明確な上限があることが判明しました。この結果から、市場で求められるような「高品質なバイオ炭」を製造することは難しいという率直な認識に至りました。

しかし、高品質なバイオ炭化には課題が残った一方で、温度域を適切に調整して処理を行うことで、培地に含まれる「リン」や「カリウム」といった、農作物の生育に不可欠な肥料成分を揮発させずにしっかりと残留させられることも判明しました。

今回のテストを通じて、キノコ培地の処理は単純な高温炭化よりも、緻密な温度コントロールによって素材の成分を活かすアプローチが適していることが明らかになりました。


投資効果シミュレーションシート

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