剪定枝の炭化は、厄介なゴミを価値ある資源に変える

廃棄方法に悩む選定枝を有効活用

果樹園や街路樹の維持管理で大量に発生する「剪定枝」。これまでは、その多くが焼却処分されてきました。しかし、焼却はCO2を排出し、環境負荷となるだけでなく、処分そのものにも手間とコストがかかるという課題がありました。

この課題を解決する手段として、剪定枝を「炭」にする技術が大きな注目を集めています。炭化によって、廃棄物だった剪定枝は、土壌を豊かにし、地球温暖化の抑制にも貢献する価値ある資源へと生まれ変わります。

剪定枝炭化の有用性

剪定枝の炭化(バイオ炭)には、他の原料にはない多くのメリットがあります。

土壌を豊かにする「土壌改良効果」

剪定枝から作られたバイオ炭は、内部に無数の小さな穴を持つ多孔質な構造をしています。これを土に混ぜることで、土の保水性、通気性、保肥性が向上し、植物が育ちやすい環境が生まれます。また、微生物の住処となり、土壌生態系を豊かにする効果も期待できます。

地球温暖化を抑制する「炭素貯留」

植物は光合成によって大気中のCO2を体内に取り込み、炭素として固定します。剪定枝を燃やさずに炭化することで、その炭素を安定した形で土壌に閉じ込める(貯留する)ことができます。これは、大気中のCO2を削減する有効な手段であり、「4パーミル・イニシアチブ」のような国際的な環境目標にも貢献する取り組みです。

持続可能な農業・産業への貢献

これまでコストをかけて処分していた剪定枝を、農地や家庭菜園で再利用できる価値ある資材に変えることで、廃棄コストの削減と資源の循環を両立し、持続可能な農業や緑化活動を実現します。また、固定炭素量によっては産業用途でも活用可能性は出てきます。例えば、バイオコークスとして鉄鋼メーカーで活用されることも検討が可能です。

茶葉・茶殻の炭化において、課題となる3つの事項

日本のような事業化や実用化を進める上では、技術的・経済的な課題がいくつか存在します。
それらを解決することが茶葉・茶殻の炭化には求められます。

高含水率

茶殻は抽出後、約70〜80%の水分を含んでいます。炭化するにはこれを乾燥させる必要があり、乾燥に多大な熱エネルギーを要すること課題の一つとして挙げられます。

腐敗と悪臭

茶殻は有機栄養分が豊富で水分も多いため、特に夏場は非常に腐敗しやすいです。回収から乾燥・炭化までの時間を極端に短くするか、冷蔵保管等のコストをかける必要があります。

設備への閉塞(タールトラブル)

バイオマスの炭化時には木酢液やタールが発生します。茶葉はタール分を含みやすいため、排気配管が詰まりやすく、頻繁なメンテナンスが必要になる可能性があります。

バイオ炭素循環LABは、茶殻特有の課題である「腐敗の速さ・多大な乾燥エネルギー・粉体トラブル」を克服するため、安定的に炭化できるプラントをご提案させていただいてます。

乾燥工程にはシステム内の未利用熱を徹底活用し、最大のネックである製造コストを劇的に圧縮。また、タール閉塞を未然に防ぐ独自の燃焼制御と、粉塵爆発を防ぐ高度な安全設計を融合させています。単なる廃棄物処理にとどまらず、高品質な炭素資源への転換と経済性を両立するこのシステムは、未利用バイオマスの社会実装を加速させる現実的な解となります。

当LABの選定枝炭化装置の設計上のポイント

調達・運搬・炭化前の加工

剪定枝は果樹園や公園など、広範囲から発生します。そのため、事業として成立させるには、まず「いかに効率よく集めるか」という収集・運搬の体制構築が重要な最初のステップとなります。
さらに、太さや長さが不揃いな剪定枝を効率よく炭化させるためには、炭化炉へ投入する前に破砕機(チッパー)で細かくチップ状に加工することが不可欠です。これにより、炉内での熱の伝わり方が均一になり、品質の安定した炭を生産できます。

炭化方式と乾燥工程の要否

炭化方式によって、事前の「乾燥」工程の要否が大きく異なります。

自燃式・外燃式の場合 → 「事前乾燥」が必須
自らの熱や外部の熱源で燃焼させながら炭化する「自燃式」や「外燃式」の炉では、原料に含まれる水分が炭化効率を著しく低下させ、煙の発生原因にもなります。そのため、投入前に天日干しや乾燥機で十分に水分を抜く「事前乾燥」が必須の工程となります。

過熱蒸気式の場合 → 「事前乾燥」は不要
一方、高温の水蒸気で蒸し焼きにする「過熱蒸気式」の炭化炉は、剪定枝が水分を含んだ状態のままでも投入が可能です。これにより、事前乾燥のための広大なスペースや時間、燃料コストを大幅に削減できるという大きなメリットがあります。

他にも多数の事例をご紹介しています、
気になることはお気軽にご相談ください