過熱蒸気式炭化装

バイオ炭素循環LABが製造・保有する過熱蒸気式炭化装置についてご紹介します。

私どもバイオ炭素循環LABのプラントは、「連続式過熱蒸気式」を採用。
過熱蒸気を用いて、多様なバイオマス資源(木材、農業残渣、汚泥など)を効率的に炭化します。この方式の強みは、エネルギー(温度・時間)を柔軟に調整できる点です。これにより、原料の種類や水分量、求めるバイオ炭化素材の特性に応じた最適な条件設定が可能となり、仮説段階からの実証支援や製造シミュレーションにも対応できるのが特徴です。

過熱蒸気式炭化装置につい

過熱蒸気式の炭化装置の特徴を挙げると、以下のようになります。

蒸気を用いる為、火災のリスクが低い

本方式では、過熱蒸気をバイオマス資源(炭化対象物)にあて、その温度を上昇させることで水分の蒸発と炭化反応を促進します。

一般的な燃焼機構を持たず、蒸気を用いる構造のため、局所的な異常加熱が発生しにくく、予期せぬ火災リスクを低減できます。

過熱蒸気だからこそ早期乾燥が可能

過熱蒸気は、水の潜熱を加熱に使用することが出来るという特性があり、同じ温度の熱風と比較して10倍近い熱量を保持しています。

さらに、蒸気は分子構造上、放射率が高く、輻射によって対象物を加熱することも出来るため、効率よく高速で乾燥、炭化を行うことが可能です。

条件の設定が容易

本装置は連続式であり、機内のシャフトスピードを調整することで炭化時間を制御できます。また、過熱蒸気の投入温度も自由に設定できるため、炭化条件を柔軟に変更可能です。これにより、目的に応じて以下のような処理にも対応できます。

  • 原料の水分を軽減する「乾燥」/含水率をさらに下げる「強乾燥」
  • 炭化反応を進めつつ一部成分を残す「半炭化(トレファクション)」/炭素成分のみを残す「完全炭化」

過熱蒸気式バイオ炭製造装置の
各部位について

蒸気発生装置

蒸気の発生には通常の電気式のボイラーを用います。
最初に生成する蒸気は通常のボイラーから発生する飽和蒸気(0.6MPa程度)で問題ありません。事業所内で余剰蒸気がある場合は、その蒸気を利用することも可能です。

過熱蒸気発生装置

飽和蒸気を、炭化炉本体に組み込まれた、過熱蒸気発生装置で再加熱することにより、過熱蒸気を生成します。
蒸気温度や流量は制御盤で変更できます。

2つの炉体

本プラントでは2つの炉体を通して炭化を行います。
1つ目の炉体で粗乾燥をおこない、2つ目の炉体で炭化を行うことになります。内部シャフトはインバーターで回転速度を調整することで最適な炭化条件を整えることが可能です。

排気ガス処理装置

排気ガスの処理については、固形物はサイクロンで除去し、それ以外のものついてはスクラバーを用いて不純物を取り除きます。

過熱蒸気式バイオ炭製造装置の
メリット

過熱蒸気式炭化装置は上記の機体構造を持つことで次のようなメリットがあります。

燃焼機構を持たないため、
法令面の導入ハードルが低い
消防法などの規制対象となりにくく、設置・運用に関する制約が比較的少ない点が特徴です。また、燃焼を伴わないため、ダイオキシンが発生することはありません。
シャフトスピードや
蒸気供給量の調整が容易
原料の種類や性質に応じて、最適な処理条件に柔軟に対応できます。
多様な炭化レベルへの対応が可能
乾燥、強乾燥、半炭化、完全炭化といった多様なニーズに合わせて炭化物を製造できます。
余剰蒸気の有効活用による
コスト削減
事業所内で発生した余剰蒸気を利用することで、初期投資やエネルギーコストの低減が期待できます。
連続式・バッチ式の両方に対応
生産量や運用体制に応じて、柔軟な導入計画が立てられます。

本装置は、既に複数のプラントで稼働実績があり、安定したバイオ炭化素材の製造を実現しています。
過熱蒸気式炭化装置にご関心をお持ちの方は、ぜひお気軽に私たちまでお問い合わせください。

他にも多数の事例をご紹介しています、
気になることはお気軽にご相談ください